苔は実は金属成分に弱いです。
写真は単管(鉄パイプ)の下に置いてあった苔のトレーですが、単管の下に位置している部分だけが茶色く枯れ上がっています。
苔は物理的な衝撃にとても弱く、雨垂れの衝撃でも簡単に枯れてしまうのですが、これについては金属成分によって枯れたと考える方が自然でしょう。
どういった金属に特に弱いか、ということまでははっきりわかりません。基本的にどの金属も濃度が高ければ悪さをするだろうと思いますが、どれに特に弱いかはっきりはわからないので、ここでは「金属」とざっくりさせておきます。
単管は主に鉄でできているので、おそらく鉄が悪さをしている考えてよいとは思いますが、単管には他の重金属成分も含まれているでしょうし、亜鉛でメッキされているのが普通のようです。鉄が一番怪しいですが、実は他の不純物が効いている可能性もなくはないです。
苔テラリウムにも鉄釘を入れておくと周囲の苔が枯れますが、これも同様の現象といえます。(ステンレス釘では枯れません)
ちなみに、苔が銅に弱いのはよく知られていて、銅葺屋根の下には苔が生えません。
例外があって、ホンモンジゴケという苔は銅葺屋根の下に好んで生えるという変わり者ですが、一般的には銅に弱いです。
もっとも、銅はほとんどの生体にとって猛毒ですので、葺屋根の下に生えにくいのは苔に限ったことではありません。
というわけで、苔を育てるときは、周囲に悪さをしそうな金属素材がないか、気に留めておいた方が良さそうです。特に銅葺屋根については、屋根の真下だけでなく、屋根を通った水の通り道には苔が生えにくくなるので、そういった水の流路にも注意する必要があります。
お寺などは、銅葺屋根が多く使われているので、苔を植栽する際は確認したほうが確実です。
ちなみに、、
一方で鉄も銅も、苔(や我々)が生きるために必須の元素でもあります。ある程度の量はないと生きていけないけれど、過剰にあると毒になる、ということですね。単管の下や、テラリウムに入れた鉄釘は、苔にとっては過剰な量の鉄だった、ということです。
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